前回、原油価格と日経平均の関係について少し触れました。
今回お話しするのは、原油価格のようにいつ何が起こるかわからないイベントではなく、毎月必ず起こるイベントについてご紹介します。
そのイベントは毎月第一金曜日におきます。ですので2016年10月ですと、7日(金)ですね。
しかもそのイベントは、実は日本ではなく、アメリカで起きるのです。
このイベントは、為替はもちろん、世界の株価に大きな影響を及ぼすため、とても有名なイベントです。
もったいぶりましたが、このイベントは「米国雇用統計」です。
要は、アメリカ国内における雇用情勢の状況が数値で出るのです。
具体的には、
・非農業部門就業者数
・失業者数
がレポートされます。
ここからは超ざっくり、三段論法(?)でこの雇用統計と日経平均の、一般的な動きをご紹介します。
①当然、非農業部門就業者数が増え、失業者数が少なくなれば、雇用状態は良い=アメリカの景気が良いことになります。
②アメリカの景気が良いということはアメリカに資金が流れます。米ドル高、米株高になります。
③米ドル高=円安になりますので、輸出企業が多い(と言われている)日本株には好材料となりますし、米株高も、リスク資産への流入という意味で、日本株高にもつながりやすいです。
よって、単純に言うと、「米国雇用統計が予想より良ければ、週明けの日経平均は上がりやすい」というのがセオリーなのです。
勘のいい方は気づいたかもしれません。私がしれっと、「予想より良ければ」と入れたことを。
そうなのです。実はですね、世界中の投資家は、ある程度「今回はこれくらいの増加だろう/現象だろう」というのを予想しており、すでに投資に反映させているのです。こういうのを「織り込み済み」と言ったりします。
ということは、仮に「非農業部門就業者数」が増えていたとしてもこうなります。
①予想よりは雇用統計が良くなかった = 円高が進み株安の可能性が高いです。
②予想通り雇用統計が良かった = 特に影響なし
③予想より雇用統計が良かった = 株高になりやすいです。
ですので、ただ「雇用統計が良かった=上がる」というわけではないのです。
で、今回(2016年10月)の雇用統計はどうだったでしょうか。
ロイターのニュースを抜粋して転載させていただきますと、
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米労働省が発表した9月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが15万6000人と、8月の16万7000人(改定後)から鈍化した。市場予想の17万5000人も下回った。
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そして失業率も少し増えたそうなので、これで行くと、セオリーでは「①予想よりは雇用統計が良くなかった = 円高が進み株安の可能性が高いです。」になりそうですね。
うー、またプラマイゼロまで遠のくー…。
さて、このセオリーはどう動くでしょうか?みなさんはどう思われますか?
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